モラハラ気質の夫に苦悩するSさん

モラハラ気質の夫との関係を何とかしたい!というクライアントSさんの事例をご紹介します。
Sさんの夫は常に威圧的で物事をコントロールしがち。
気が付けば夫が上で、自分はいつも下。
何を言っても夫の意見が通ってしまう状況とのこと。そんな苦しい夫婦関係にSさんはストレスを抱えておられました。
セッションを始めてから半年が経った今、あのモラハラ夫はどこにいったの?というほど夫婦関係が激変!!離婚をせずに、変わることができたのです。
彼女の場合は、母親との関係性が大きく影響していたことがわかっていたんですね。
母親に服従していた(と感じていた)パターンと、夫との関係が全く同じ傾向、ということだったのです。

そもそもは自分こそが「察してちゃん」だった

Sさんとは、母親との関係性で持った、沢山の思い込みを手放すセッションを重ねていきました。
そもそも母親に服従していたと感じていたのは、自分が親に対して自分の思っていることを言葉にすることなく「察するのが当然でしょ」「それが親でしょ」という思いをアタリマエのように持っていたのが、スタートだったんですね。
そして察して親がアレコレやってくれることで、自分は責任を負わず、むしろ全部「親のせい」にすることができたのです。自分の「アタリマエ」は奇麗に棚上され、「自分だけが服従している」ような気になっていた、というのが本当のところだったんですね。
なのでまず彼女は「察してちゃん」をやめて「自分の気持ちに自分が気づく」をやって「自分の気持ちを言葉に出す」ということに挑戦しました。

自分を大切に扱うことの本当の意味

ただ、何度もこのブログでもお伝えしているように、自分の気持ちを大事にするのは自分の気持ちを相手に押し付けることでもないし、どんなことをしても叶えてもらうべき、ということでもないってこと!
自分の気持ちを大事にするとは、自分の気持ちを自分が尊重するのと同じように、相手にも相手の気持ちがあり、それを尊重することを受入れるチカラのことを言うのだと思うのですよ。
自分ばかりの思いをゴリゴリと相手に押し付けることではない、ってことね。
そういうことをセッションで何度も扱いました。

モラハラ夫に効いた妻の一撃

そんなある日、事件発生!!
Sさんは、この湯川のセッション(3か月コース)を夫に隠して受けていたのです。
それが、夫にバレました。ものすごい剣幕で言い負かされそうになった時、Sさんは毅然とこのように仰ったんですね。

私はあなたに何を言われても、これを辞める気はない。あなたがどう言おうが、自分のためにこれをやり通すから。
どうしても辞めろと言うなら、私はあなたと別れる。
それくらいの覚悟を持って、私はこれに取り組んでるから。

淡々と、そして、毅然と夫に伝えました。すごい勇気ですよね!
「別れるから!」というのは脅しが入ってはいますが、少なくともSさんの毅然とした態度は、これまでに全く無かったこと。
夫への依存に終止符を打つ覚悟が、こうさせたのでしょう。
つまり、心理的に自立の方向に向かう決意を定めたということを意味しています。夫と戦ったのではなく、またひるむのでもなく、毅然とそして堂々と自分の決意を表明したのです。
その姿に夫が何かを感じ取ったんですね。
その日以来、夫が少しづつ行きつ戻りつしながら、変わってきたようです。

相手を否定したりたしなめる言い方をすると

これを戦いに持ち込んでしまうと、逆に相手からの「負けてたまるか!」という抵抗と攻撃を一層引きだしてしまう。
そうではなく、静かに、毅然とした態度は、多くを語らずとも相手に何かを気付かせることができる。
その時、「あなたもしっかり勉強しなさいよ」とか「いい加減にして!」と激高したり、相手の態度をたしなめる言動をしても、相手から抵抗や攻撃を引きだすだけで、何も伝わらないのです。

相手を変えようとするのではなく、自分こそが変わって行くこと!

そんなことよりも、自分の心の成長を先に実現する、のが先。
心理的にベッタリ依存して、夫なしでは生きて行けないというのではなく、自分一人でも子どもの一人や二人、ちゃんと育て上げるわよ!という気概を持つということ。
その気持ちが伝わった時、相手も「自分だけ置いて行かれては困る!」と思い何らかの行動を始めるかもしれません。
相手が行動しようが、しなかろうが、それはどうでもいいこと。
まずは自分の心の成長を優先するというのが第一ラウンドです。

誰もがSさんのようにうまくいくかしら?

Sさんに起きた奇跡をブログで紹介したところ、たくさんの反響がありました。
夫にそこまで言える勇気がすごいです。
昔はそんな状態ではなかったというのが、信じられない。(中略)
私にとって少し光が見えたように思います。
うちも全く同じモラ夫。
アイツは一生あの調子だと思うので、離婚しかないと思っていたけど、もしかして最後自分が出来ることを、やってから決断を出してもいいのかもと思った。
仲がいい時はすごく優しいのに、いったん不機嫌になると、それをまき散らすのでもうへとへとです。
(中略)
でもこんな改善があるんですね。
これはSさんだから出来たことではないか?
うちの彼氏さんでは到底無理・・・。
目の前のパートナーが、今まさに暴れている人にしてみると、Sさんのような奇跡を起こせるなんて、想像できないですよね。
Sさんだからできたんじゃないか?と諦めそうになるかもしれません。
では、ここで、Sさんご本人からのメッセージを紹介します。とても大切なことを仰っています

脅しと本気の覚悟の差

もしかしたら、相談もできず、行動にも移せず、鬱々と過ごしている人は、想像以上に多いのかもしれないなぁ、と胸が痛くなりました。
 
あのときの行動は、私も「よくやった!!」と思います。
あの言葉は「別れる覚悟」で言い放った方便ではなく、脅しなんかじゃありませんでした。
 
実際のところ、湯川さんの3か月コースを受けてから自分の気持ちを伝え出したことで、夫とぶつかる回数が多くなったのです。
これまでずっと私が我慢るすのが当然だった夫にとっては、我慢ならなかったと思います。当然、力づくで押さえにかかります。私も必死でした。
 
やっと光が見えてきた矢先に、ここで終わってしまうのは嫌でした。
私は育児休暇が終わるまでの間の生活費や、諸経費をざっと計算して、今ある貯金からどう遣り繰りしていこうかと事前に計画を立てました。
収入のない者が家を借りることができるのか?とかも調べたりして。
今思えば、これだけ用意していたから毅然と言えたのだと思います。
 
「自立する!」と覚悟を決めると、行動することに迷いはなくなるし、迷いがないからこそ、相手に伝わったのかなぁ、と思います。
 
きっと何も用意せずに言ったところで、それはただの「脅し」で、感情的になっていただけではないかと。
実はその後、どんな会話があって思い止まったのかは、あまり覚えていません。
ただただ涙を流し続けてたのは覚えているのですが・・・。泣きながらも、感じていたことがありました。

それは、まずは自分の気持ちを感じ取ることや、言葉に出すことが、こんなにも自分を本当に大事にすることなのか!と。

 
自分を置き去りにしたことで感じていたイライラが、後に残らないことを実感できたし、だからこそストレスがたまらないことにも気付けました。

「自分の感情を感じてもいいし、それを言葉に出しても良い」は確かにそのとおり。
でも感情を相手にぶつけるのは違いますね。それを理解しているかしていないかは大きいと思います。

また、湯川さんから言われていた「我慢するものは我慢させる」がよく分かりました。
私自身が「我慢している」と思っていたから、夫にも子どもにももれなく我慢させていたのだと思います。
私の場合は、夫が元々優しい素質があったからこその激変だったと思いますが、その人をそれだけ攻撃的にさせてしまっていた私の潜在意識はある意味、怖いと思いました(^_^;)
 

 

「自分の感情を感じていい」「それを言葉に出していい」の本当の意味

 
この部分は正直セッションでかなり取り扱った部分でした。
Sさんが仰っるように、この理解があるか無いかは大きな差になります。

本気の覚悟があるからこそ、肚が座る

その後のご主人は、まるっきり人が変わったかのようになったのか?と言えば、決してそうではない。
相変わらず、ぐわーんと言って来たりもしているようですがSさん自身、肚がすわったので、媚びたり、ひるんだりが無くなったのです。

 
冷静に夫を見ることが出来ているんですね。
 
それに最悪、夫と離婚するようなことになったとしても、何とかやっていける!
そう思えているわけです。

 
そうなると、モラハラ夫と同じ土俵で戦うのではなく、Sさんは一歩引いて客観視できる。
言いくるめる必要もないし、納得させる必要もない。毅然とすることもできるし、ニュートラルにいることだって出来る。

 
 
こうなってくると、お互い無理をする必要もない、自然な関係性が築かれていきます。
ある意味、ここまで来るのにいつものパターンに戻った方がどれ程ラクか、と思われたことも多かったと思います。
 
でもSさんはそうしなかった。
 
行きつ戻りつはしながらも自分の決めた道を信じてここまでやって来られました。
その投げ出さない力は本当にすごい資質だと思います。

湯川 央恵

 

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