恨みや怒りの感情はどこから来るのか?
今日お伝えするのは、
「恨み心を手放す」について。
「恨み心」と聞いても
ピンと来ない人もいらっしゃるかもしれませんね。
でもね「怒り」と言い換えるとどうですか?
怒りとは、誰かに対して
「許せない!」「あり得ない!」という思いであったり
「普通○○してくれるのが当然じゃないの!?」
という権利意識であったりします。
つまり自分の中の
「○○すべき」
「○○が当然」
「○○が常識」
というルールが多ければ多いほど怒りの感情が起きやすい、
つまり恨み心がいつまでも残りやすいタイプである、
ということなんですね。
本人はそれが当然だと思っているので、
その思いこそが愛や豊かさを阻害しているとは、
なかなか思えないし、気づけない。
Rさんの事例
クライアントのRさんの事例をお伝えしましょう。
Rさんのご自宅は専業農家。
ご両親はじめ、祖父母も一家総出の農作業。
お米や野菜、果物を年中栽培し、出荷されていました。
その忙しさゆえ、Rさんは子供の頃から
ご両親が学芸会や授業参観、運動会などに
来てくれたことがなかったそうです。
「うちは農家やから」
何か言うと、いつもそういわれて
誤魔化されているような
何とも言えない腹立たしい気持ちを抱えておられたんですね。
運動会でのお弁当は、通常みんな家族とワイワイ言いながら食べています。
が、Rさんはそれを横目で見ながら、みんなの目を避けるように教室で一人黙々と食べるのが年中行事。
寂しいも、腹立たしいも、悔しいも
そんな気持ちも全部、おにぎりとともに飲み込んだ。
そんな運動会の思い出だったそうです。
ところが、ある年のこと
「今年は行けるから!」と!お母さんがそう言ってくれたんですね。
Rさんはとても嬉しく、当日楽しみにしていたのに、どこを見ても見当たらない。
やっぱり今年も教室で一人
お弁当を食べることになったRさん。
「来れないなら最初から言うなよ!嘘つき!私より仕事が大事なんだ!バーカ!!」
と、一人泣きながら、しょっぱいおにぎりを頬張ったそうです。
「今年は来てくれる!」
そう期待していただけに、Rさんの落胆もさぞ大きかったことでしょう。
でもね、、、、、
Rさんもツラかったと思いますが、行けなかったお母さんはどんな気持ちだったでしょう。
実はRさんのお母さん、運動会前日にRさんを撮るためのカメラを用意されていたんですね。カメラまで用意して、行く気満々だったお母さん。
それが当日行けなくなってしまって、どれほどお母さんは残念だったでしょう。
運動会で子供の姿を見ながら泣いている親御さんを、時折見かけることがあります。
あれは
「自分の子どもがいつの間にか、こんなに立派に成長した!」
そのことに対する感動の涙なのですね。
まだまだ小さいと思っていた我が子が、こうして立派になったことを、嬉しくて、有り難くて、ただただ涙してしまうのです。
Rさんのお母さんは子どもとの約束を果たせなかった
子どもの晴れの姿を見ることが出来なかった。
それはどれほど親にとって残念だったのか。
悲しいことだったのか。
自分のことだけを考えていると、それが全く見えないのです。
チャイルド視点から大人の視点を育てる、というのはまさに「恨み心を手放す」ことでもあるのです。
恨みに思っていたことは、そもそも自分の思い通りにして欲しかったという子ども心。チャイルド視点で一杯になっていた、ということなのです。
セッション後のRさん
Rさんがこのセッション後に述懐された言葉です。
「ずっと親のことを責めていたけど、親がどれだけ悲しかったのかという視点には全く気づきませんでした。
自分こそが親の都合に振り回された、被害者だと思っていたけど、そうじゃなかった。
私の何十倍も母は、心を痛めていたんだ・・・。」
そう言いながら、大粒の涙をこぼされていました。
その後、Rさんは自分の子供との関係性がいい方向に激変し、ご主人はトントン拍子に出世され、Rさん自身もパートの時給がアップするなど
Rさんを中心として幸せの輪が広がるという、喜びの報告を受けました。
恨み心を手放すことで、すべてが循環するようになるんですね。
そして愛や豊さというプラスのエネルギーを取り込むことが出来るようになります。
恨み心はマイナスのエネルギーですから、それを持っている間は、
なかなかプラスのエネルギーを取り込むことが出来ないのは、当然なのです。
頭で分かっていても心が納得してない場合は、愛や豊かさなど「足りない」と感じる「現象」として起きてきます。
湯川もかつてそうでした
Rさんのようにメンバーさんが、真摯に自分に向き合っている姿を見るにつけ、私も、かつての自分の姿を、思い出さずにはおれません。
今の状態を吐露されたとき、その気持ちが痛いほど分かるのです。
このブログにいろんな事例を載せていますが、私もかつて自分も通ってきたからこそ書けるし、共感できるのです。
「私も同じやったんよー」
そう言うと、一様に皆さん驚かれますが、ホントそうだったんですよ。
夫からのモラハラ、DVに悩み
自己否定感に苦しみ
他人をうらやみ
自分で責任を負うのを恐れ
そのくせ感情を爆発させて
被害者意識に凝り固まっていましたからねえ・・・(苦笑)
いやー、モラハラDVと同じくらいの攻撃性を、自分こそが持っていたのに、ホント被害者意識、満開でしたねえ〜(笑)
そんな私でしたが、今はおかげさまでそれなりに楽しく暮らしています。
そりゃ生きているんですから、全く何も問題がないってワケじゃないですよ。日々、いろんなことはありますよ。
でもね、以前のように、
無用に夫を恐れることもないし
他人からの評価も特に気になる訳でもない。
感情に振り回されて疲弊することもないし
自分は被害者で相手が悪いと、わめき散らすこともない。
自分がやりたいことを、させてもらえる環境なんですね。
ホントありがたいです。
10年前、こんな風になれるとは、とても想像出来なかったですよ。
人は、自分の人生を変えることが出来る
それを私自身が実感していますし、
3ヶ月コースや養成講座を受けたメンバーさんの変化を見ても、明らかなものとなっております。
まず、これをやると少しずつ変わります
以前にもお伝えしたと思いますが、私は夫と5年間別居してたんですね。
そして6年目の2013年に再び同居したのです。
200%離婚だ!と思っていたのが人生分からんもんですよねー!!
夫とうまくいった大きなポイントを挙げろと言われたら
まず、これを挙げたいと思います。
自分の心に向き合う
これ抜きでは、まず無理だったと思います。
あのとき私は、夫を変えようという気はさらさらなくて、自分に向きあい集中した結果、
私自身も、以前とは比べ物にならないくらい、ラクに生きられるようになりました。
誰かと比べては落ち込んだり、イライラすることもなく
夫に依存でべったりしないといけないこともなく。
さらに、嬉しいことに、子どもが本当に明るく、伸び伸びと育つようになったんですね。
これは本当に嬉しかった!
お子さんいらっしゃる方なら、これは分かると思います。
母として、何より嬉しいことですよね!
でも、さらにうちの場合は、夫が変わってしまったんですね。
それはもう、ギフトだと思っています。
夫が変わっても変わらなくても、あの頃の私には、どっちでも良かったのです。
自分の心を見つめ
自分の心の何かに、その原因があるなら、それを変えていけばいい。
そう思っていたのですから。
でも今思うと、そうやって夫を変えようとせず
変わっても変わらなくてもどっちでもいい、そう思ったときにこそ、実は相手は変わっていくものなのかなと思っています。
変わって欲しい!と思っているということは
「自分は変わらなくて良い」
もしくは
「自分には問題がない」
と思っているということですからね・・・。
自分の心に向き合うということは
自分の人生を人任せにしない生き方であり、自分の人生の舵を、自分が取る生き方であるってこと!
自分に向き合うのは、幸せな人生を送りたい方には必須です。
そのときのキーになるのが自分にとっての「愛」なのです。
「愛」を制するものは、人生を制します。
湯川 央恵