怒りの爆発

今日も彼と些細なことで口げんか。
彼が、うんざりしながら
部屋を出て行こうとしている。
その姿に思わず頭に血がのぼった。
 
「そうやっていつも逃げるのよね。
だいたい卑怯なのよ。
この間は私のことを、ずっと好きだと言っておきながら、
今日はそんなに疑うなら別れるだなんて、
よく言ったものだわね。
だったらもっと早くに言ってくれたらよかったでしょ!」
 
ああ、私またやってる。頭に血がのぼってダメだ・・・。
ドアを出て行こうとした彼が、振り向きざまに
こう言った。
 
「おい!そうやっていつも自分に都合の良いように言い換えるなよ!
誰が別れるだなんて言ったんだ。
そんなこと一言も言ってない。
大体いつも疑われるこっちの気持ちも察しろよ!
もういい加減にしてくれ!」
 
人のことを「おい!」だなんて!
そんな言い方をする彼が腹立たしくて仕方ない。
体の大きい彼が怒ると
さらに大きく見える。でも言わずにはおれない。
 
「あなたって最低ね。そんなひどい言い方をする
あなたなんて大嫌いよ!顔も見たくない!」
 
「ああ、上等だよ!こっちこそ顔も見たくないね!」
 
あああ、またやってしまった。
怒りのボルテージが上がると、
どうしようもなくなってしまう・・・。
こんなことが続くと、
いつかホントに別れることになると分かっているのに、
どうしてもやめられない・・・。

こんにちは。
ダメンズ引寄せ症候群・集中治療室の湯川央恵です。
久しぶりにドラマ仕立て?で始めてみました(笑)
 
さて読んでみて如何でしたでしょうか?
「自分のことみたい!」と
思った人も多いんじゃないでしょうか?
私のところに来られる方は、基本的に
「我慢して、我慢して、我慢して、、、その先で一気にドカン!」
というパターンの方が多いです。
そしてドカンになったとき、
自分の怒りのエネルギーに自分が戸惑ってしまう、
そしてまたしばらくは我慢が続き、
またある時ドカン。
 
これを繰り返してしまっているんですね。
 
我慢するか爆発するかのどちらかって、これまた極端~(^_^;)
しんどいはずです。
 

痛みを怒りで麻痺させている!?

こういう場合は自分の中の
「見捨てられ不安」
「見捨てられ恐怖」の傷がうずいていることが多い。
その傷があるからこそ、
パートナーの言動に
「過剰反応」してるってこと。
 
つまり「見捨てられ不安」「見捨てられ恐怖」の傷がうづいたからこそ、
それを感じないようにするためには、
怒りが必要だったってこと。
そして相手を悪者にし、
コントロールするために
ヒドイ言葉を投げつけた、というワケ。
 
怒りを出している間は
昔の古傷が痛まずに済むわけですね。
痛みを怒りでマヒさせているってカンジでしょうか。
いやー、どっちもしんどいですね。
 

見捨てられ不安 ある・なしの見分け方

自分にこの傷があるかどうかの見分け方は、
とてもハッキリしています。
同じ状況になったとき、
「見捨てられ」の傷が無い人は、
何も言い出せず、ただ泣くだけだったり
「行かないで欲しい」と素直に言えるんですよ。
 
それが言えずに「ぐわーん」っと相手に食って掛かってしまう方は
「見捨てられ不安」や「見捨てられ恐怖」がある、と思っていただいて良いと思います。
 
なので話を元に戻すと・・・。
そもそも「見捨てられた」と思うような状況を癒すことが先ですね。
これがまず先。
ほとんどが幼いころの
親との関係性に起因していることが多いです。
 
そしてそのほとんどが、自分の幼い視点からくる「勘違い」なんですね。
見捨てられた、と思っていたのは
「親ならもっと○○してくれて当然じゃないの!」という
要望の強さから来ているだけ、だったりするわけです。
 
この要望が強ければ強い程
「見捨てられたーーー!」という思い込みも、また強いってこと。
ホント、みごとに勘違いしているわけです。

ケンカや別れで陥りがちな、ある状態と改善策

少し話はとびますが、怒りを爆発させるのとは違うパターンについても触れてみます。
ケンカしたり、別れたりすると
「自分こそが正しい!」、「相手が間違っている」ということを
証明しようとして必死になってしまうことってありますよね。
正解は一つしかなくて、その一つを取り合っているような感じ。
 
でもね、正解はたった一つではありません。
必ず道は複数あるものです。
 
それをたった一つだと思うのは、
思考が「ゼロか100か」の極端に偏っているということ。
その場合、相手の言うことを聞いたが最後、
まるでこちらが全否定されたような気になってしまう。
だから

「勝つか、負けるか」
「全面降伏か全面勝利」かになってしまう。
 
いやー、もうこれしんど過ぎでしょ。
さらに自分が正しくて相手が間違っている、
自分は悪くなくて相手こそが悪い、ということを証明したいが為に
「弱い存在になる」ということがあるんですね。
 
「えっ?」と思われました?
実はね、弱いと不可侵の存在でいれるんですよ。
ある意味、正面切って自分の意見を押し付けてくる人よりも、
圧倒的な威圧感があるわけです(笑)
 
アタシは弱いんだから、これ以上アタシに何かを言うと、あなたの目の前でもっとえらいことになるわよ!
と言っていることと同じなんです。
半ば脅しです(笑)
でもなぜか本人は自分こそが被害者だと思っている。
 
こういう時、どうしたらいいんでしょうね〜。
まずは、自分の立場を理解してもらったり、受け入れてもらう為に、
相手を悪くする必要はないし、弱い自分になる必要などない
と知ることです。
 
これまで0か100かで思考してきた人や、
自分の思いを全面的に受け入れて欲しいという要望が強い人にとっては、
信じられないことかもしれません。
が、人の評価って片方が上がると、片方が下がるというものでは一切ないわけですね。
もしくは何かトラブルが起こった時に
「誰の責任か」「誰が悪いのか」を決める必要も全くないわけです。
 
なので「私は今こうしてほしいって思っているの」とか
「こんなことで私は困ってるんだよ」と
率直な気持ちをニュートラルに伝えるといいですね。
 
自分が正しいことを分かってもらう為に、相手を悪者にする必要はないし、
ましてや自分が弱い存在になる必要も一切ありません。
 

怒る自分を受け入れることから

さて、話を怒りに戻します。
怒りを爆発させてしまう人には、
怒りを出す自分が嫌だと感じている人が少なくありません。
もしかすると、怒ると相手に嫌われる、と思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれません。
それはつまり、「怒りを出す自分を否定している」ってこと。
 
否定すればするほど
認めずにいればいるほど
その状況が、強く自分に迫ってくるわけです。
怒りを出す自分を、自分が受け入れる必要があるんですね。
ずっと否定しているわけです。
受け入れてないワケです、怒りを出す自分のことを。
 
受け入れてない自分に気付くためには
「怒りで自分も相手も傷つける」ような出来事が必要だったってワケ。
それに気付くことなんですよ。
 
そう思ったら、自分の対戦相手になってくれている人のことが、神様のように見えてきます(笑)
ホントありがたい話なんですよ~。

相手にも同じような不安があったから…

もっと言えば、その対戦相手も、あなたと同じような恐れを持っているハズなんですね。
同じ傷を持っているわけです。
だからこそ惹きあう。

今世「怒りを出すと嫌われる」の思い込みに気づかせ、
そしてそんな自分を全面的に受け入れることの出来るチャンスを、お互いにつくってきた、
ということなんですね。
ほんの数十年の課題ではないはずです。
ながい人になると
何百年も課題を持ち越しているのですよ。
 
今世の出会いは
それを解決する、魂の出会いなのです。
なのですべてに無駄は無いのですよ。
それに気づいていきましょう。
そして無意識に負った心の傷は、さっさと癒して行きましょうね。

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