きっとそうに違いない!という思考は・・・

恋愛に限らず夫婦、子どもなどの家族関係や職場関係など、コミュニケーションに問題が起きがちな方は、思い込みが激しかったり、極端な考え方が原因になっていることがよくあります。
例えば、

  • 挨拶をしたのに返してくれなかった
  • メールしたのに返事が遅い
  • つき合ってるのにプレゼントが殆ど無い
  • デートなのに待ち合わせに遅れて来る

・・・ってことは
 
私の事嫌いなのね!
 
みたいな発想になってしまうわけですね。
思い込みが激しい方がこういう発想をすると、今度は何を見ても、何を聞いても「嫌っている兆候」だと捉え、そうなるストーリーを勝手に作ってしまうんですね。
いやー、しんどい!自分で作った妄想に、自分がぐるぐる巻きになって身動き取れなくなって居るワケですよ。
 

認知のゆがみ ー あるご婦人の事例

このような「X=Y」的な解釈のパターンのことを、心理学的には「認知のゆがみ」と言うんですね。
分かりやすい言葉で言うと「解釈が偏っている」ということ。
一つ例をお伝えしますね。
ここに、一人のご婦人がいます。
その方は、夫とうまくコミュニケーションが取れないことを、長きにわたり悩んでおられました。ある日ご婦人は、思い切って有名なカウンセラーに相談しました。
ご婦人の話を聞いたカウンセラーは、これまでのご婦人の行動を十分ねぎらい、認めた上で、ご婦人の“ある行動”を修正するといいですよ、とアドバイスをされました。
するとそのご婦人は、指摘されたことに対し
「え!それって私が悪いってことですか!?」
「私が、間違っているってことですか!?」
と、すごく極端な解釈をしてしまわれたんですね。
 
「怒り 女」の画像検索結果ここからはカウンセラーとご婦人の会話です。

「いや、悪いとか間違っているとか言ってるんじゃなくて、○○を修正するといいですよ、と言ってるだけで…」
「でも、それは“私が悪い”って言いたい訳ですか!」
「いえ、そういうことではなくって…(–;)」
「じゃあ、何ですか!」
「・・・・・・。」
「なんですかっ!!」

 
いやー、すごいですね~。怖いですね〜。
実はこの婦人、ワタシでした…。なので、実話…(苦笑)
子どもがまだ小さかったので、18年くらい前でしょうか。この時のカウンセラーさん、本当にゴメンナサイ!!!!!
当時は、何か指摘されると、自分の全人格を否定されたように感じていました。なので「じゃあ、私が悪いってこと!?」という発想になってたんですね…。
それ以外でも
「夫が黙っているということは、怒っているに違いない」
「目を見て話してくれないのは、私のことを嫌っているんだ」
とかね…。いやはや(苦笑)
 

認知のゆがみが起こる原因は育った環境なのか!?

このような「X=Y」のような極端な解釈の仕方のクセがあると、自分が何よりしんどいですし、あらゆるトラブルを引き起こしがちになります。
「X=Y」の画像検索結果この「認知のゆがみ」は親からのコミュニケーションや、自分の育ってきた環境から、知らず知らずのうちに学んでしまうと言われています。湯川もかつては、そのように思っておりました。
でもね、湯川のメルマガやブログをしっかり読んでおられる読者の皆様なら、もう分かりますよね!
 
そう、これら極端な物の見方は「チャイルド思考」そのものなのです。
「自分の思った通りになることが当然だ」という前提が隠れているワケです。だからそうじゃない時は、嫌われているとか、怒っている、などということになってしまうってワケですね!
 

アルバートエリス博士のABC理論(論理療法)

じゃあ、この認知のゆがみをどう直していくのか。
認知というのは、自分では当たり前すぎて、なかなか気付けないんですよね。
ここではアルバートエリス博士の「ABC理論」をご紹介しましょう。
簡単に言うとABCとは下記の通り。
A:Activating event(出来事)
B:Belief(解釈、固定観念)
C:Consequence(結果)

人の悩みは出来事そのものではなく
出来事の受け取り方によって
生み出されるものである。

出来事(A)があって、即、結果(C)があるのではなく、間にビリーフ(B)という自分ならではの解釈や思い込みがある。
という考え方なんですね。
このBが、まさに先ほどの例でいうところの「前提」も含まれるわけです。
 
私たちは、いつの間にか
A(出来事)=C(結果)という捕らえ方をしがちです。
たとえば…
A(出来事)遅刻をするということは
C(結果) やる気が無いということだ
とか
A(出来事)上司がいつも私に怒るということは
C(結果) 私のことが嫌いだからだ
とかね。こんな感じでA=Cをやってしまってません?
でもねホントは間に、Bがあり
そしてBというのは、人の数だけその解釈があるんですね。
 

Cを変えたければBにアプローチする!

これを次のように数式化してみました。
A(出来事)×B(解釈)=C(結果)
つまりどんなに素晴らしいA(出来事)があったとしても
B(解釈)がネガティブでマイナスの思い込みや前提を持っていると
C(結果)がおのずと、マイナスになります。つまり苦しい結果になる、ということ。(稲盛和夫さんの「成功の公式」になぞらえました!)
 
たとえば
A(出来事)かわいいねと褒められた
B(解釈)そんなことはありえない。私のことをきっと馬鹿にしている
C(結果)すごく腹立たしくなってイライラする
って感じですね。
A=Cじゃないですね。
Bという値がどんなものかで、Cが全く違ってくるんです!
つまりCとは、B次第だ、ってことなんですね。
 

練習問題

次の問題を解いてください。
A(出来事):新しい服を着て彼に会いに行った
C(結果):彼は一言も服について褒めてくれず、私はカチンときた
とすると、どんなB(解釈や前提)がありそうでしょう。少し考えてみましょう。
どんな言葉が入りましたか?
B(解釈や前提)
・私のことが好きなら褒めるはず
・好きな人のことは、些細なことでも気付くのが当然
・男性は、好きな女性のことを褒めるのか当たり前
等々…いろんなBが考えられますね。
 
そして何かあるたびにCの結果、つまり今の場合だと「褒めてくれないことで私はカチンと来る」ということを繰り返してしまうってことなんですね。
つまりCを変えたければ、Bを変えて行くってこと。しかもBは自分のことなので、いくらでも変えられるわけです。
 
結局、悩んでしまう時と言うのは、事実が原因なのではなく、その事実の、受け止め方や解釈・前提のほうが原因なのだ、ということなのです。
悩みの原因が、適切で無い事実の受け止め方や解釈・前提なら、そこを変えれば、悩みも変わる、というわけなのです!
 

ワーク①解釈や前提に気づく

なので思ったC(結果)が得られていない場合、以下のワークをやってみて下さい。
A(出来事)何が起こりましたか?
C(結果)そのことについて自分はどう感じましたか?
B(解釈や前提)Cをもたらした解釈や前提はなんでしょう?
ここでのポイントは、自分がどんなBを持っているのか?を考えてみるってこと。先ほどと同じように、数式を解くように書くようにB欄を考えてみましょう。
 

ワーク②客観視するために書き出す

自分なりのBが導き出されたたら、以下のように「反論」してみてください。
「それって一方的な考えじゃない?」
「誰もがそうなる?」
「例外は無い?」
「本当に相手の立場に立った時、相手も自分と同じBという考え方になる?」
こんな感じで書き出し、客観視するんですね。
これによって「自分はかなり偏った考え方になっていたかも!」と気づけばオッケー!
 

ワーク③新しいBを手に入れる

今度は以下の質問をしてみてください。
「望むCを得るためには、どんなB(解釈)だといい?」
これらを考えてみてくださいね。正解不正解は無いので、まずは思いついたまま書き出してみましょう。
すんなり新しいBを採用出来る場合はそれでオッケーですね。
でも「そうは言っても」とか「それを採用すると負けた気がする」などと、心の抵抗が出て来た場合は、チャイルドがまだまだ反発しているってこと。
セッションを受けられるのが一番早いかと思いますが、まずは以下を書き出してみましょう。
①これまで通りのBだとどんな未来がやってきそうか?
②新しいBを採用すると、どんないいことがあるのか?
これらを書き出してみて、その上で、是非このブログの最新記事から読み直してみてくださいね。
 
 
湯川 央恵
 

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