我慢しても、感情を消すことはできない

カフェで、周囲がドン引きするほどの大喧嘩をしているカップルを見かけることがあります。
彼氏がものすごく怒っていて、大きな声を出しています。
この「怒り」は、我慢しても消えて無くなることはありません。
「怒り」の感情をどう扱えばいいのかという相談も多いのです。
 
かつての湯川は、「瞬間湯沸かし器」と揶揄されるほど気が短い人でした。
ところが、夫の前ではフリーズして何も言えなくなります。
夫の前に行くと、身体が震えて言いたいこともいえない。
やっと何かを言えたとしても、その何倍にもなってお返しが来るとわかっていたので、怖かったのです。
 
そんな風に我慢を重ね、あるとき大爆発したことがありました。
言わなくていいことまで口をついて出て、夫を深く傷つけてしまいました。
ずっと我慢してきた「怒り」は、消化できたものと思い込んでいたのですが、実際には想定以上の爆発力を持っていました。
 

その感情は、我慢しても消えることはない。水面下でずっと蓄積されている。

 
今となっては、当時のことを笑い話にできますが、ひどい状況でした。
ですから、適切な怒りの表現方法を学ぶことは、とても重要です。
 

怒りの表現モデルと文化

私たちは、怒りの表現方法なんて学校で教わっていません。
唯一のお手本が両親なのです。
 
その両親が、不適切な方法で怒りを表現していたとしたら、やはり子どもも同じような怒りの表し方をしがちです。
意識では拒絶しているはずなのに、気がつくと親と同じ怒り方になっている。
そんな経験ありませんか?
 
湯川は、わが子に対して、そんな怒り方になったことがありました。
もしくは、親を反面教師として同じようになるまいと、過剰に抑え込んでしまうパターンもあります。
いずれの場合も「怒り」という感情ののイメージは良くないはずです。
 
日本の文化では「怒ることは恥ずかしい」「いつも愛想よく」「礼儀正しく」というのが根強いですよね。
幼い頃から「怒り」はダメなものとして教えてこられました。
 
また、幼い頃、家庭の中で「怒り」を表現することを許されていたか?と聞くと、たいてい「とんでもない!」と仰います。
親は子どもに怒ってもよいが、子どもが怒りを表現することは許されない。
私たちが幼かったころは、そんな家庭が多かったのではないでしょうか。
こういった背景から「怒りを表現する」ことに高いハードルを感じるのです。
 
また、怒り=感情的に相手を責めること。と、思っている方も多いかもしれません。
そうではないのです。
 
怒りとは、過去に傷ついた自分があるということを示しています。
それを守ろうとするから、相手を攻撃するという表現になっているだけ。
ですから、「怒り」がむくむく湧いてきたら、その部分が自分の傷ついてきた部分。
そう考えてください。
 

怒りの奥にある本当の気持ち

では、ここから湯川の実例をもとに、怒りの奥にある本当の気持ちに気づく方法を考えていきましょう。
 
昔は、いつもとぼけたことを言っている母に腹を立てていました。
今でも母はそのままですが、全くカチンと来ないんですよ。
 
母との関係性が激変したのは、あるポイントに気がついたからです。
その気づきで180度変わることができたのです。
 
8年くらい前にさかのぼります。が、
昔から、母に対してイライラしてしまう自分のことがイヤで、何とかしたいと思っていました。
でも、どうしてもできなかったのです。
 
そのうち、子どもが母(おばあちゃん)に対して、横柄な言葉遣いをするようになりました。
この時から、いよいよ何とかしなくては!と真剣に取り組み始めました。
 
私の幼少時期は父と母が毎日のようにケンカ。
あるときまたケンカが始まり、その時に母が家を飛び出そうとしたことがあったのです。
子どもながら、私が怒って母を引き止めたことがありました。
それも、何度も。
見捨てられるのではないかという、恐怖が沸きあがっていました。
 
学校から帰ると「今日こそは母は消えているかもしれない」 そんなふうに思いながら帰宅し、母の姿が見えると、ほっとしたものです。
それを回避するために「怒り」を使ったんですよね。
怒ることで、母を引き止めることができたのですね。
そしてその奥には、強烈な恐怖があったということ。
 

 つまり…
私が怒るのは、大切な人を引き止めるため
家族がバラバラにならないため
見捨てられる恐怖があったから

 
母にそばに居て欲しい、 家族が平和であって欲しい、仲良くして欲しい。
そんなふうに思えば思うほど、見捨てられる恐怖に支配されていました。
そして、怒りの思いを撒き散らしていたというわけです。
 
だから大切な人であればあるほど、私はその人に対して、怒りが噴出するんです
相手もたまったもんじゃないですよね。
でも、私もその怒りの気持ちが止められなかった…。
 
振り返ってみると、母だけではありませんでした。
大好きな彼に対しても、すぐに怒っていました。
大切な人にそばにいてもらうために、幼い頃に学習した「怒る」という手段を振りかざす。
それ以外の方法を、私はわかっていなかったんですね。
「怒る」ことでうまくいった経験があったからこそ、それを無意識に繰り返してしまっていたのです。
 
私は怒りたくて怒っていたんじゃない!
ただ、家族がバラバラにならないために怒っていたんだ!
大事な人にそばにいて欲しくて、怒っていたんだ!
 
そして何より、母に置いていかれる恐怖から私は怒っていたんだ!!!
この気持ちに気づいたときには号泣しました。
このことは、昨日のように覚えています。

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