交際中のデートDVが増えている
2014年にDV防止法が改正され、結婚していなくても、同居している恋人からの暴力であれば、対象になりました。
今、夫婦間のDVよりも、交際相手からのDVが多いのです。
このDV防止法は、「同居している恋人からの暴力」となっているので、一緒に住んでいない高校生や大学生などのカップルの場合は、対象外。
ですから、DV被害にあった場合は、我慢せずに逃げるとか別れるという選択肢を持ってくださいね。
(湯川も5年間別居していました)
【改正の経緯】
出所:内閣府男女共同参画局HP
交際相手からの暴力が社会的に問題となっており、被害者やその親族が殺害されるという痛ましい事件も生じている中で、配偶者暴力防止法の対象拡大が被害者及びその支援者団体から求められてきました。
配偶者暴力防止法は、配偶者からの暴力の特殊性に鑑み、被害者に対する支援(相談・援助・保護)や重大な危害を生じさせるおそれがある場合における保護命令等の制度を定めたものですが、生活の本拠を共にする交際相手(生活の本拠を共にする交際をする関係にある相手をいう。以下同じ。)からの暴力についても、「外部からの発見・介入が困難であり、かつ、継続的になりやすい」といった配偶者からの暴力と同様の事情があり、その被害者を救済するために、法律上の支援の根拠の明確化及び保護命令の発令の必要性が認められることから、配偶者からの暴力に準じて、配偶者暴力防止法の対象とすることとしたものです。
世間の人は、DVって「殴る蹴るなどの暴力」と思っている人が少なくありません。
通常の恋愛観では“当たり前”と考えられていることが、実は「殴る蹴る以外のDVの芽」になっています。
例えば・・・
・恋人に隠しごとをしてはいけない
・彼氏彼女は自分のもの
・愛しているなら独占するのは当然
・愛する人と境界線なく一体化することは当然
これらは全てDVに繋がりかねない恋愛観ですね。
こういうことを、学校で若い学生さんたちに教えてあげたいくらいです。
殴る蹴るなど以外のデートDV
ここで、産経新聞(2016年1月28日)に掲載されていた、記事を紹介しましょう。
【殴る蹴るなど以外のデートDV】
◆思い通りにならないと怒鳴ったり責めたり脅したりする。
⇒相手を精神的に追い詰めて自分に従わせようとするのは脅迫という暴力の一種
◆いつもおごらせる
⇒相手の気持ちを考えず、いつもお金を支払わせることも暴力になります
◆ムリやり性的な行為をする
⇒恋人同士でも、相手がイヤがっているのにムリやり性行為をすることは暴力です
◆携帯電話の着信履歴やメールをチェックする
⇒一方的に相手のプライバシーに入り込み、相手の人間関係を制限するのは暴力です
◆「バカ」などと傷つく呼び方をする
⇒相手を傷つける言葉は暴力です
◆自分の予定を優先させないと無視したり不機嫌になったりする
⇒相手の気持ちや都合を考えず、自分と一緒にいることを相手に強要することは暴力です
いかがですか?
1つくらいは思い当たる項目があったのではないでしょうか?
DV被害者は加害者にもなりうる
DV被害にあっている人は、全く別の人間関係でDVしているというケースがよく見受けられます。
一方的にいつもDVされている、ということは無いはずなんですよ。
暴力を受けているという人は、上記のような精神的DVを誰かに押し付けている可能性が高いのです。
例えば、夫からDVされている妻は、子どもにその矛先を向けてDVしているとか。
湯川の夫は、元DVダメンズ。
夫の心の問題も大いにありますが、私自身の心の問題もあったのです。
双方が同じような心の問題を抱えていたからこそ、魅力を感じ、傷つけ合いもしたということ。
その心の問題と言うのは、自己肯定感が低く、常に「人の役に立ってやっと自分が存在できる」と思い込む性格。
ですから、どちらかというと身体的暴力というより、精神的暴力で支配されていました。
自分が「DV被害者」であることに、全く気付いていなかったのです。
それよりも、「私が悪いから」「私がもっとちゃんとしていたら」と思っていたんですよ。
でも、自分が変わると、相手は同じ方法がもう「効かない」ことを悟るわけです。
その結果、別れることもあるだろうし、縁あって婚姻関係を続けることもある。
別れても続けても、どっちでもいいのです。
自分が自分らしく生きていられることが大切。
安心で安全な環境が確保できること。
自分の人生を堂々と、そして自由に生きることができるなら、別れても続けてもどっちでもいい。
その鍵を握っているのは、常に「自分」なのですよ。
そして、湯川のケースで説明したように、自己肯定感が低い人や、役に立たないといけないと感じている人、また常に寂しさを感じているような人は、【DV被害に遭いやすい】ということを知っておいてくださいね。
DVに気が付いているはずなのに、「ホントは良い人」「私さえ我慢すれば」「悪いのは私だから」などと思い込むと、かえって問題を深刻にし、長引かせることになります。
自分を守れるのは自分しかいません。