子供にイライラし、ちょっとした成長や変化も「これくらい!」とか「ただのまぐれ」などと思っちゃう人は、自分に対しても同じように厳しくダメ出ししがち。そして自分にダメ出しする、そもそもの原因はなんだと思われますか?今日はそのことについててみました。
不機嫌になっている子どもにイライラが止まらない
子供が不機嫌になっていたり、怒っているのを見ると、とてつもなくイライラしてしまう。
この怒りは自分の幼いチャイルド思考から来ているとは思うけど、一体どうすればいいのか。
こういうご相談を頂きました。
いやー、湯川も子供が幼いころ、同じようにイライラしていました。
子どもに原因があるというより、
どちらかというと自分に何か気づくべき点があるんだろうなあと
薄々感じてはいたけど、一体どうすりゃいいのか分からない!
なので、この方のお気持ち、よーわかります!
でもね、大丈夫!そこから必ず変わる事ができますからね!!
この相談者Sさん。
子供に怒ってしまうのは、自分の幼いチャイルド思考から来るのだとは
気づいてはおられるんですよね。
でも、目の前で子供が不機嫌になっていると、
怒りの思いがどうしても押さえきれない、という状況。
まずは子供の姿が、「かつての自分の姿そのものだった」ということに気づけている事はスゴいことなのです〜。
でもそれが分かっていても、
どうしても子供への怒りが収まらないSさん。
一体Sさんは、どうしたらいいんでしょうね。
怒っていたのは実は自分だった?
以下はSさんと湯川のやり取りです。
湯川:子供が怒っている姿を見ると、どんな気持ちになるの?
Sさん:湯川先生がいつも仰る「鏡の法則」だから、自分の姿だとは思うんですよ。
でもね、すごい腹が立つんですよ。いい加減にしてよ!って思ってしまう。
それに子供から責められているように感じるんですよ。
湯川 :ほー、そうなんですね!
Sさん:ええ、私は幼い頃、あまり言いたかったことも言えなかったし、親に怒られても黙っていたんですよ。
だからこんなに言いたい放題言う子供を見ると、とにかくその怒りを止めたくなってしまうんです。
湯川:おー、止めたくなるんや!
Sさん:そうなんです!許せない気持ちになります。
不機嫌を直してもらおうとアタフタするというより、怒りの思いがすっごく湧くんです。
湯川 :おー、そうなんやね・・・。
あのね、Sさん。Sさんは親に対して「私は言いたい事も言えず、ずっと我慢して来たのよ!」って仰っていましたが、ご自分が被害者になっているの、わかります?
Sさん:ん?私が被害者?
湯川 :ええ。親のせいで私は我慢してきたと。そして今も怒ってますよね。
Sさん:ええっ?ワタシ今も親に怒ってるんですか?
湯川 :どうです?
Sさん:(しばし間を置き)ええ、そうかもしれません。私、怒って親を責めていますね。
湯川:何て責めてます?
Sさん:母親に「何で私の気持ちを受け止めてくれないのか!」
「何でいつもそんな怖いのか!」って。
湯川:そうなんですね・・・。
なので娘ちゃんが怒っている姿を見ると、自分が責められているように感じるのは、ホントはSさんが今も尚、母親に怒り、責めているからこそなんですよ。
「何で気持ちを受け止めてくれない!」「なんでいつもそんな怖いのよ!」って母を責める気持ちが強かったからこそ、娘ちゃんの姿を見たとき、自分が責められているように感じるわけです。
Sさん:あああっ!娘じゃなく、ワタシ!?
湯川:ええ。どうです?(笑)
Sさん:あぁ、そうです・・・。
娘じゃなく私が責めていたんだ。でもまさに、まさにその通りです!
子どもの姿は自分の姿
子供の姿はまさに、自分のかつての思いそのものなのです。
だから子育て中って、怒ったり落ち込んだり感情がワサワサするのは、
自分のホントの姿を見ているから。
子供を怒鳴って躾ける前に、
自分の内側を見つめる必要があるんですね。
子供うんぬんではなく、
自分のチャイルドの姿(潜在意識)が子供に投影されていただけのことですからね。
だから子供を変えようとしても、全く意味がないんですよ。
自分の姿が映っているのだから、変えるべきは自分なワケです。
親に対してどんな要求をしていたか?
そんな所に気づいたSさん。そこから思い出したように、更にお話下さいました。
Sさんのお父さんは、とても優しい方だったそうです。
それに比べて母親はいつも厳しくて、一緒に遊んでくれることも余り無かった。
そんなお母さんに対し
「お父さんのように優しくしてよ!」
「もっと私にニコニコしてよ!」
「もっと一緒に遊んでよ!」とそんな風に思っていたんですね。この思いと要求こそが、Sさんが作ったマイルールなのです。
「親なら優しくすべき」
「親ならニコニコすべき」
「親なら傍にいて一緒にいるべき」
このような「マイルール」を無意識に持ったため、
今自分が親になった時に、子供から
「これが出来ていないぞ!」と責められているような気がする訳です。
子供自身はそんな風に責めるつもりなど、無かったかもしれない。
でも自分が親に持った思いがあったからこそ、
子どもにその思いを投影し、
自分自身が、がんじがらめになって、苦しんでいたということなのですね…。
当然のように要求していたということは!?
実はSさんのお母さんは、教師をしながら子育てをされ、愚痴や弱音も吐かず、母親としてかなりレベルの高いお母さんだったそうです。
そのお母さんに対して、
「もっと優しくして!」
「ニコニコして!」
「もっと傍に居て遊んで!」と要求していたSさん。
それほど、Sさんにとってお母さんという存在は、
特別で大好きで仕方なかったんですね。
好きだからこそ、子供の頃はそう思っちゃったんですよね。
それは本当によく分かります。
でもね、当然のようにそう思っていた、ということは???
そうです!!
恐らく相当そのようにやってもらっていた、ということ!
やってもらっていたからこそ、その部分はアタリマエで
「やってもらっている」という認識すらない。
だからちょっとでも「やってもらっていない!」と感じると、
もともと与えられるべきものが与えられていない!と錯覚するわけ。
アタリマエにあるものはスルーし、
足りない部分だけにフォーカスしているという状況。
さらに、本人にすれば、
親ならその位の事をするのは最低限度のこと、と思っているワケです。
「私はそんな過大な要求などしていない。ただもうちょっと優しくしてよ!もうちょっとニコニコしてよ!と望んだ事がそんな要求の強いことなのか!」
と最初思われていたんです。
「ちょっと望んだだけなのに…」
それくらいの思いでおられたのです。
それがどれほど高い要求で、
どれほど親に完璧性を求めているかに、全く気づいていなかったってこと!!
いやー、ホント「アタリマエにやってくれていること」って
どれほどスゴいことなのか、子ども時代は全く見えていないんですよね。
親に求めた完璧性が苦しみの根っこ
つまり、Sさんの苦しみの根っこは、この「完璧性」
これを強烈に親に求めてきたことに、端を発しています。
相手に強烈に求めているからこそ、
自分の些細な成長も認められないし、自分にダメ出しばかりしてしまう。
同じように子供の成長や変化も
「これくらい!」とか「ただのまぐれ」などと、
完璧を求めて、全く認めようとしなかったのです!
自分にダメ出しをするホントの理由
このように、自分をひどく責めがちな人は
「自分の外側は常に完璧であるべき」
この思いが強烈に強い、ということなのです。
ですから自分の外側のことについて、
常にイライラしている状態なんですね。
自分をひどく責めがちな人は
「親や他人から完璧であることを求められたから」と
思っている方が多いのですが、実際は違います。
いいでしょうか。
自分こそが親(他人)に対して完璧を求めていたからこそ、
相手に求められているように思い、勝手に自分でダメ出ししているだけ
なのです!
視点を変えることができると、ここまで変わる事が出来るのです!!
でもなかなか自分一人では、
ここまで見る事は難しいのかなと思います。
自分が源なのだ。
これを本当に腑に落とせるかどうかなのです。
そして必ず立ち返るべき視点は「相手が鏡だとしたら?」
ここなんですよ。
現実は嘘をつきませんからね。